東大グリーンICTプロジェクトがLED照明の
消費電力削減効果を実証

―大塚商会が参画し、62%の消費電力削減を実現―

平成23年5月9日第2318号

国立大学法人東京大学(総長:濱田 純一、以下、東京大学)の東大グリーンICTプロジェクト(※1)(代表:江崎 浩、以下、GUTP)は、このたび東京大学構内の照明蛍光灯をLED照明に置き換え消費電力の約62%の削減を実現、削減効果を実証しました。実証にあたり株式会社大塚商会(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大塚裕司、以下、大塚商会)が4月1日よりGUTPに参画し、LED照明を提供しました。

GUTPは、消費電力削減による地球環境の保全と活動環境の改善を目的とし、産官学が協力して研究開発を進めてきました。東京大学構内に施設に関わるあらゆる機器と機器管理システムを導入し、実証実験を行っています。さらにGUTPは、研究や実証結果を通して総合的なファシリティマネジメントシステムの確立に取り組んでいます。

GUTPでは、消費電力の低い機器としてLED照明による実証を検討していましたが、施設ではさまざまな種類の照明を使用しており、機器の選定や設置を含め協力企業を模索していました。

大塚商会は、さまざまな企業、団体にさまざまなシーンでLED照明の導入実績があり、環境対策の一環で自社にもLED照明を導入しています。また同社は、環境分野におけるICT機器やシステムの導入、教育、サポートなど総合的なソリューションの提供実績やノウハウがあります。

これらの実証結果や提供実績を踏まえ、今回大塚商会のGUTPへの参画に至りました。

実証にあたっては、東京大学工学部2号館で使用中の照明1,046個をLED照明に置き換え、消費電力の測定を行いました。明るさや空間の雰囲気に違和感はなく、消費電力の計測で62%の消費電力削減となりました。GUTPはこれまで省エネタイプの照明を設置していましたが、LED照明は更に省エネ効果が高いことを実証しました。

GUTPは、今夏の電力需要における消費電力削減にも積極的に取り組んでおり、省エネツールの1つとして同学他施設へLED照明の設置を展開していきます。また、大塚商会は、東京大学における「電力の使用抑制に対する本学の対応について」の発表を受け、東京大学本部棟にLED照明を寄贈しました。

消費電力削減で62%の削減に成功

今後GUTPは、これまでの成果を市場で活用できるファシリティマネジメントシステムとして体系化します。そして参画企業と連携を強化し、大塚商会を通じて企業や学校、自治体への普及につとめます。

東京大学工学部2号館に導入されたLED照明 / 本部棟に導入されたLED照明

(※1) 東大グリーンICTプロジェクト(代表:江崎浩,http://www.gutp.jp/ )

国立大学法人東京大学(総長:濱田 純一、以下東京大学)が、2008年6月9日に大学院情報理工学系研究科の江崎浩教授を代表として、IPv6 普及・高度化推進協議会と協力して発足させたグリーン東大工学部プロジェクトを、2010年4月1日に全学の活動として再組織した。 東京大学本郷地区の工学部新2号館(2005年竣工 地上12階 総合研究教育棟)をモデル的な舞台として、個別に運用管理されていた施設の設備制御管理システムを相互接続し、投入・配送・消費エネルギーの状況を収集・可視化し、ITによる省エネとIT環境自体の省エネの両立を実証する。設立発起人(詳細は、「発起人・組織リスト: http://www.gutp.jp/members/」を参照)を中心に、技術規格標準化関連団体、建設会社、建設設計事務所、ハードウエア・ソフトウエアベンダー、インテグレーター、通信事業者などファシリティーの企画・設計・構築・運用に関連する関連組織からの参加の下、データ取得方法・表現形式などの標準化やファシリティーの運用管理効率の向上などをはじめとして、省エネ実現のモデルケース確立などに取り組んでいる。

東大グリーンICTプロジェクト


今回の発表に際し、以下のコメントを発表します。

東京大学 理事(副学長) 松本 洋一郎

「東京大学では、これまで持続可能なキャンパスの構築を目指して、省電力化活動を行ってきました。今回の政府の節電施策を受けて、さらなる節電の対策を検討しており、LED照明を用いた節電への挑戦も視野に入っています。LED照明の有効性と照度の確保等に関する技術的課題を明らかにすること は、研究・教育の質を低下させずに、さらに快適な活動環境をより少ないエネルギーで実現するというTodai Sustainable Campus Project (http://www.tscp.u-tokyo.ac.jp/)の趣旨にも合致するものです。東京大学では、このような自身の節電施策の実施を通じて、引き続き社会への貢献を目指して参ります。」

東京大学 「東大グリーンICTプロジェクト」代表・教授 江崎 浩

「我々は、社会全体で25%の電力使用量の削減を目指す必要がありますが、同時に、活動の質と快適性を維持しさらに向上させなければなりません。今回の大塚商会との共同実証事業は、この目的の実現に資するものだと考えております。」

株式会社大塚商会 取締役兼専務執行役員 LEDライティンググループ長 髙橋 俊泰

「この度の東大グリーンICTプロジェクトの実証結果を大変喜ばしく思います。当社は今後も環境ソリューションの提供実績を基に、LED照明の普及を進めてまいります。また、GUTPの省エネ実現に向けた新たなビジネスモデルの、市場への展開に努めてまいります。」

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