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第2回 あいさつのプロになろう!
多くの業界と同様に運送業界でも「“生き残る”ではなく“勝ち抜く”の姿勢が求められる」との気運が高まる中、安全だけではなく「安全を含む輸送品質の向上」に注力される運送会社が増えてきました。
運送会社から弊社へのご依頼内容も、ドライバーの第一印象を高めることを目的とした「あいさつの唱和訓練」や「身だしなみのルール制定」など、安全以外の項目が急増しています。
そこで今回のコラムは「あいさつのプロになろう!」というお話。
まずはその背景を私の経験をもとに説明します。
当時21歳の私がトラックドライバーという職業を選択した理由の一つに「ひとりの時間が長くて気楽そうだから」との安易な考えがありました。
そんな若くて甘い考えを抱いたまま運送業界に飛び込みましたので、最初は驚きの連続。
- ドライバーとは時に見知らぬお客様にひとりで訪問する仕事
- 商談目的ではなく納品という短時間滞在が多いので1日の訪問件数が多い
- 訪問件数が多いのであいさつの回数が多い
そう実感するたびに「誰や!気楽で稼げる仕事って言うたんは!」とハンドルを握りながら嘆いていたことを覚えています。
ここで皆様に一つ質問です。
皆様は1日におおむね何回「おはようございます」と言っていますか?
ドライバーの場合、たとえば朝の配達が10社あるとします。
1社訪問あたりの平均あいさつ回数が仮に4回(4人)だとすると、1日に40回「おはようございます」と発していることになります。
ホーム&アウェーで言うところの「思いっきりアウェー」な状況で。
訪問先様には大勢の人がいらっしゃるとの「圧倒的に数的不利」な状況で。
しかも、そのほとんどが電話やメールではなく顔を合わしてあいさつをしているのです。
だからドライバーにとっては“あいさつも仕事のうち”だと言えますね。
ドライバーが「あいさつのプロ」になるための練習は、自社内で管理者と正しいあいさつを交わすことが効果的です。
たとえば出発点呼時にドライバーの「おはようございます」「行ってきます」のあいさつを改善するために、管理者が「動くマニュアル」になり正しいあいさつを返します。
ドライバーが社内であいさつの練習をしていないと社外でのあいさつに自信を持てなくなる。
結果的にあいさつの機会に対して消極的になってしまう。
「自社内で雑なあいさつを交わしていると、アウェーな雰囲気や数的不利な状況の客先では社内で発するレベル以下のあいさつを提供してしまう」とも判断できます。
可能であればあいさつの唱和訓練等は、新入社員教育プログラムに反映された方がよいと思います。
一般的に会社として一番大切にしていることは入社時に教える傾向であり、教わった人も「一番大切にする(覚えている=実践する)傾向」のようです。
新人ドライバーにとっても運送会社に対する第一印象は大切ですから。
そして、管理者がその気になればドライバーのあいさつは必ず進化します。
なぜならば・・・。
ドライバーという職業にはあいさつの実践練習機会がたくさん有りますから。
だから「プロドライバーとしてあいさつのプロになろう!」
「正しいあいさつを提供する」との社内ルールが個々のこだわりになるように。
そのこだわりが全ドライバーの習慣になって運送会社の商品になるように。
「自分の人生と相手の気持ちを豊かにするような正しいあいさつを提供しよう!」
ありがとうございました。
次回は7月5日(金)の更新予定です。
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