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第12回 トラックドライバーがいなくなる
トラックドライバーとは気楽な仕事♪
なぜなら「会社を出発すれば誰にも干渉されることなく自由だから♪」
トラックドライバーとは気軽な仕事♪
なぜなら「自動車運転免許証とやる気さえ有ればすぐに稼げるから♪」
これらは“古き良き時代の昔話”
現代のトラックドライバーはいかがでしょうか?
運送会社では「ドライバー募集の求人広告を出しても応募が少ない」とのお嘆きを耳にします。
国土交通省の調べによれば、2015年には14万人のトラックドライバー不足に陥るとのこと。
その理由は「運送会社がドライバー募集をしていない」のではなく、「運送会社がドライバー募集をしても応募がない」ようです。
「トラックドライバー不足(人気低迷)の原因は何か?」
荷主からの収受運賃の低下や、高止まり状態が続く燃料コスト等により、思うように稼げなくなったこと【=仕事単価の低下】
動態管理を含む労務管理が注目されて、自分ができると思えるだけの仕事量がこなせなくなったこと【=仕事量の低下】
車離れや中型免許制度で若年層における「ドライバー志望者」が少なくなったこと【トラックドライバー職への就業意欲の低下】
そのような就業環境下で現在ドライバー職に就いている人の中には、「他に意欲的に就ける仕事や仕事が無いから、消去法的な判断により仕方なくトラックに乗っている」と思っている人も少なくないようです。
また、運送会社では「ドライバーが入社しても長続きしない」とのお嘆きも耳にします。
これらは各社における面接や採用時の説明不足や認識の違いもありますが、「運送業界に対する就業イメージのアンマッチ」によるものが多い。
そのひとつが、現代のトラックドライバーが担当している煩雑な付帯業務。
この状況は「トラックドライバーが荷主から期待されている」と思えれば嬉しいのですが・・・。
荷主や配送先によっての多様なニーズへの対応が求められるため、「常に自分から相手に合わせて仕事のやり方を変えなければならない」と言うこと。
積み込み先でトラックの荷台上で待っていたら、いつまで経っても積み込み作業が始まらない・・・。
ドライバーがフォークリフト作業も担当することはもちろん、出荷された商品の検品作業や、その作業で発生する過失責任もひとり負わなければならない時代。
トラックドライバーが「ひとりで気楽な職種のイメージ」だった人にとっては、「全てをひとりで判断してひとりで運転や作業をして、その責任をひとりで負う」との「自己判断を求められて事故責任を背負うリスク」が、収入に見合わないと判断されるようです。
この状況を「運送業界としてではなく運送会社として」どのようにして打開すべきか・・・。
次回のコラムで提案しますので一緒に考えてみましょう。
ありがとうございました。
次回は11月29日(金)更新の予定です。
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