第57回 ドライバーの願いを叶える運送会社

安全と品質の教育から得ることができる“見える結果”があります。

その代表例として挙げられる「車輪止めの正しい装着」に表われるバロメーター機能は、ふたつ。

ドライバーによる「車輪止めの正しい装着」は、車庫を含む社内での管理者の指導結果と考えると……。

【1】管理者の“伝える力”と“確認する力”を示すバロメーター

ドライバーがいつもやっていることを面倒に感じる時には、「焦り・イライラ・疲れ」の状態に陥っているかもしれないと考えると……。

【2】ドライバーの体調や感情の低下を示すバロメーター

挨拶や身だしなみなどの品質に取り組むドライバーは、安全なドライバーが多い。


安全と品質の関連性を示す行動パターンは、このふたつ。

【1】正しい挨拶 → 大きな声で指差呼称確認 → 安全になれる

【2】正しい身だしなみ → トラックがキレイ → 安全になれる


入室時に扉をノックする意味は安全と品質において、このふたつ。

【1】扉が開くことを知らせて、扉の向う側にいる人の怪我を防止(=安全)するため

【2】入室を知らせるマナー(=品質)を提供するため

だから安全と品質が同時に高まる「ノックのやり方と回数」にもこだわりましょう。


安全と品質を提供して配送先様からいただくべきものは、このふたつ。

【1】安全に届いたことを示すのは、文字でいただく「受領サイン」

【2】良い品質で届けた証としては、言葉でいただく「ありがとう」


配送先様からいただく評価は、このふたつ。

【1】「受領サイン」だけなら“満足”との評価

【2】「ありがとう」が付けば“感動”との評価


それぞれの“評価”の持つ意味は、このふたつ。

【1】「受領サイン」をいただくことは、クレーム無く仕事をする義務が完了

【2】「ありがとう」も頂けることは、次回にも仕事を頂ける権利が発生

仕事を通じて満足以上の感動を提供するための挨拶訓練も「みんなでやれば恥ずかしくない!」


ドライバー全員の願いを叶える法則(ルール)の作り方は、このふたつ。

【1】個々に実践している自分のルールを出し合い、会社のルールとしての採用を検討

【2】ドライバーの工夫から生まれた会社のルールを、全員が自分のルールとして実践


ルールに取り組む教育手順と“咲かせる花”は、このふたつ。

【1】危険を表に出さず“喜びの花”を咲かせましょう

【2】安全の芽を育てて“品質の花”を咲かせましょう


教育結果がお客様からの受注に反映される点は、このふたつ。

【1】安全教育の結果は仕事の量にも比例

【2】品質教育の結果は仕事の単価と比例


安全と品質の教育結果により反映されるべき業績とドライバーの労働条件は、このふたつ。

【1】安全 → 利益向上 → 会社が無理をせずにドライバーの給与増額

【2】品質 → 売上向上 → 配車が無理をせずにドライバーの時間短縮


「ドライバーの願いを叶える運送会社」になるための条件は、このふたつ。

【1】誰もが、いつまでも事故が無いこと

【2】誰にでも、いつでも仕事が有ること


最後に。

国が求める安全教育はもちろんのこと、お客様が求める品質教育にも取り組みましょう。

【1】安全教育の機会とは、ドライバー全員の願いを叶える“愛情”表現

【2】品質教育の機会とは、ドライバーへの“期待”を示すバロメーター

ありがとうございました。

次回は10月2日(金)更新予定です。

関連するページ・著者紹介

この記事のテーマと関連するページ

運送事業者向け販売管理システム SMILE V 2nd Edition トラックスター

運送業における日報管理・請求管理から実績管理まで、一連の業務を効率化。業界の慣習に対応し、運送業の経営管理を強力にバックアップします。マスターや伝票に独自項目を追加して、オリジナル帳票の作成やデータ活用が可能です。

クラウドサービスを利用できるネットワーク型車載ステーション 富士通製 デジタルタコグラフ DTSシリーズ

通信モジュールを標準搭載し、カードレス運用を実現したデジタルタコグラフ。富士通がお客様と共に培ってきた運行支援ソリューションをクラウド基盤で運用することを可能にし、インターネットにつながるパソコンを用意するだけで初期費用を抑え、短期間で運行情報分析が簡単に行えます。車両の速度や時間・エンジン回転数などの車両情報と運転評価表をもとに乗務員に的確な運転指導が行えます。

この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止による利益確保と輸送品質の向上による単価の向上で得た原資によって、働き方改革を実現するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として全国45都道府県で講演。
また、全日本トラック協会主催の「全国トラック運送事業者大会」における交通安全対策推進の分科会で、7年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催:2015年金沢開催:2016年度米子開催:2017年仙台開催:2018年高松開催:2019年千葉開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員
2015年度:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会ワーキンググループ」委員
2016年度:「貸切バス運転者に対して行う指導及び監督の改正検討ワーキンググループ」委員
2016年度より現在:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会」委員
2017年度より現在:熊本県トラック協会 専門アドバイザー(企業経営・労務管理)
各都道府県のトラック協会や青年部会、支部や協同組合単位での各研修会で講演多数。
プロデキューブ
公式ブログ:ほぼ毎日更新中!プロデキューブログ
Facebook

公式Facebookにて、ビジネスに役立つさまざまな情報を日々お届けしています!

お仕事効率研究所 - SMILE LAB -

業務効率化のヒントになる情報を幅広く発信しております!

  • 旬な情報をお届けするイベント開催のお知らせ(参加無料)
  • ビジネスお役立ち資料のご紹介
  • 法改正などの注目すべきテーマ
  • 新製品や新機能のリリース情報
  • 大塚商会の取り組み など

ページID:00098759