第36回 研修資料のこだわりと作り方

おかげさまで年間600回以上の研修を担当しています。

研修ではいつもパワーポイントで作成した資料を使います。

その資料の作成には、私たちの“こだわり”があります。

それは、最も新しい情報を。

さらに、最も身近な情報を。

そして、最も適した情報を。

そう考えているうちに、資料の完成が研修ギリギリになることもしばしば・・・。

研修資料には、この「三方よし」が効果的です。

「作り手よし」

「伝え手よし」

「聞き手よし」

私たちが楽しく作れた資料は、皆様に楽しく伝えることができます。

私たちが伝えやすい資料は、皆様が聞きやすいようです。

そこで「早く正しく伝える」ために、当社内で作成規約を設けています。

使用する字体とアニメーションは最大2種類のみとする。

文字(フォント)の大きさには最少制限を設けている。

レイアウトや文字の配置はミリ単位で取り決めて不変。

些細なことかもしれませんが、鰻屋さんや焼鳥屋さんで秘伝のタレを調合して、永く大切に使うのと同じこと。

こだわり過ぎて資料の作成に膨大な時間を要することも・・・。

パワーポイントで作成する資料は、1スライドあたり1時間以上、最大3時間の作成時間を要します。

当社の研修でスライドの登場時間は、1スライドあたり平均30秒。

120分の研修で使用する240枚のスライドを作成するために、最大720時間を要している計算です。

嬉しいことに、特に公開型無料セミナーの後で受講された方からは「あの資料が欲しい!」と仰って頂きます。

大変光栄なことです。

しかしながら、その場合いつもこのようにお答えします。

「あいにく資料のみの“販売”は行っておりません。」

「研修資料は日々進化しており“生もの”ですから。」

研修資料は全て私たちが考えて生み出したキーワードによる構成です。

誰かが言ったことや、先人が書いたことを写すような手抜き作業は好みません。

掛けた時間と労力の分だけ、評価される研修資料が生まれると確信しています。

ただし、いくら良い資料を作成しても伝え手が悪ければ正しく伝わりません。

そこは伝え方の最大のポイントであり、伝わったかを示す最適なバロメーターがあります。

それは「研修中に受講される皆様から笑いが3回以上起こること」

このようなペースが理想です。

60分の研修なら20分ごとに笑って頂く。

90分の研修なら30分ごとに笑って頂く。

そんな「隠し味」を、いつまでも“誰にでも”隠しているのではございません。

ある運送会社向けには、自社独自の研修資料作成をサポートしています。

「伝えるものを1年以上一緒に考える」

「その伝え方を1年掛けて一緒に作成」

運送会社で社内講師を育成するための手段として、当社の“こだわり”を提供しています。

「いかに正しく伝わるか」

「いかに早く伝えるか」

最新作は3分間で完了する安全研修。

立ち話感覚で研修ができるので、点呼時に研修を終えることもできます。

ドライバーが社内でカップラーメンにお湯を入れてから食べ始めるまでに、1研修を終えられるイメージ。

名付けて「カップラーメン型研修」

その特長と成果について、機会がございましたらこのコラムでもご紹介します。

ありがとうござました。

次回は11月14日(金)更新の予定です。

■ERPナビコラム事務局より
当コラムは10月17日(金)更新を予定しておりましたが、
コラムシステムのメンテナンスのため11月4日(火)に
更新日を変更しましたこと、コラムを楽しみにお待ち頂いて
おりました読者の皆様に深くお詫び申し上げます。
次回は11月14日(金)を予定しております。

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この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止による利益確保と輸送品質の向上による単価の向上で得た原資によって、働き方改革を実現するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として全国45都道府県で講演。
また、全日本トラック協会主催の「全国トラック運送事業者大会」における交通安全対策推進の分科会で、7年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催:2015年金沢開催:2016年度米子開催:2017年仙台開催:2018年高松開催:2019年千葉開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員
2015年度:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会ワーキンググループ」委員
2016年度:「貸切バス運転者に対して行う指導及び監督の改正検討ワーキンググループ」委員
2016年度より現在:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会」委員
2017年度より現在:熊本県トラック協会 専門アドバイザー(企業経営・労務管理)
各都道府県のトラック協会や青年部会、支部や協同組合単位での各研修会で講演多数。
プロデキューブ
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