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第16回 社員教育と社外宣伝の時代へ
プロデキューブが2013年に運送業界で取り組んだ改善活動のテーマは「人材確保から人材育成の時代へ」
このテーマは、運送業界における「求人募集を出しても望む人材が集まらない」とのお声にも対応するための改善策。
「人材確保が困難な時代」であることを踏まえた上で、私たちは「自社が望む人材を自前で育てる」ことにたどり着いたのです。
プロ野球界に例えると「FA(フリーエージェント)で他球団の良い選手を取る」よりも「ドラフトで潜在能力がある選手を集めて一流に育てる」ことを優先する考え方です。
2014年はこのテーマに取り組みます。
「社員教育と社外宣伝の時代へ」
社員教育とは昨年の人材育成と通じるもの。
そして、安全活動こそが最大の営業活動。
なぜならば、安全性が低下すれば事故損金等で利益が低下してしまう。
利益が低下すれば、社員教育に掛ける時間やコストが削られてしまう。
安全性が低下すれば安定した仕事が無くなり、不利益な仕事でも受注しなければならない。
そう考えれば、安全活動こそが特に中小運送事業者にとっては最も手近な営業活動だと言えます。
安全活動により利益を確保しつつ、営業コストを掛けずに売上を伸ばす手法です。
ただし荷主様からすれば「運送会社が安全なのは当たり前」と思われることも・・・。
「安全になるための活動は当たり前」と判断されると、評価の対象にもならないことも・・・。
そこで、車輪止めの正しい装着や指差呼称確認を含む「魅せる安全」に取り組むことをお勧めしています。
さしずめ「防御は最大の攻撃なり」と言ったところでしょうか。
その証拠に。
運送会社のホームページを覗いてみれば、必ず見つかるキーワードは「安全」
しかし、世間や荷主が求めているのは安全への「取り決め」ではなく、安全への日々の「取り組み」と結果です。
運送会社のホームページを見て感じるのはもうひとつ。
トラックの写真や台数のみを掲載しているのは、まるで「中古車屋さんのホームページ」
倉庫の写真や規模のみを掲載しているのは、まるで「不動産屋さんのホームページ」
上記2パターンの共通点として、トラックも倉庫も同業他社との違いは表現しにくいようです。
違いを表現しにくいところを土俵にすると「コスト勝負」に巻き込まれてしまう。
運送会社の特徴(=他社との違い)は、そこで働く社員であるということ。
社員がどのような「考え方・表情・身だしなみ」で、どのようなルールや仕事に取り組んでいるのかが問われる時代。
運送会社で働く社員の違いが評価される時代。
ホームページに登場する社員の姿を見て、新しい仕事が舞い込む時代。
社員の違いによる優位性とは「人材を確保するのではなく人材に育成すること」によって勝ち得るもの。
社員教育の結果が「仕事の数と単価」を決めるのです。
仕事の数や単価が景気に左右される幅を最小限に抑えることも、安定経営の礎となります。
さて、年頭である今週は各運送会社で年始の目標を発表されたり年間の目標を掲示されたり。
安全と品質に関するそれぞれの目標を達成するために!
その手段を考えて提供するのがプロデキューブの役割!
それは、誰も思いつかないことを提案すること。
時には誰もやりたがらないことも実践すること。
それは、安全以上の品質向上への取り組みかもしれません。
誰もが「交通事故に遭いたくない」との個の考え方の上に、安全指導が成り立っています。
品質向上には「仕事に対する考え方」を組織的に進化させる必要があり、その上で品質指導が成り立ちます。
目指す姿は「安全なドライバー」以上に「お客様に選ばれるドライバー」へ。
目指す姿を実現するための「社員教育」への取り組みが、運送会社にとっての「社外宣伝」になる時代へ。
末筆になりましたが、皆さま本年もよろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。
次回は1月24日(金)更新の予定です。
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